あべのハルカス メディカルプラザ ドクターインタビュー
ドクターインタビュー

眼科

 第11回 2016年3月
れいこ眼科クリニック
院長メッセージ

視覚はわれわれ人間にとって最も重要な情報収集経路で、約8割の情報は視覚から得られると言われています。とくに情報化の進んだ現代社会では、視覚は生活の質をも左右する大切な感覚です。その視覚に影響をおよぼす疾患全般を扱うのが眼科です。目の病気も、ほかの病気と同様、早い段階からの対応や治療がたいせつです。40歳を過ぎたら定期的に眼科の検診を受けるように、また目の調子がおかしいときには気軽に眼科を受診するようにしましょう。

 

当クリニックは、眼科疾患一般について診療していますが、とくに白内障・緑内障治療に力をいれ、日帰り手術にも対応しています。

20年あまり勤務医として経験を積み、2011年に母校である大阪市立大学に近い天王寺ミオプラザで開院しました。より質の高い医療を行いたいとの思いから2014年12月にあべのハルカスメディカルプラザに移転してきました。

患者様との出会いは一期一会と考えています。最新の医療技術や知識に基づいて患者様の立場に立った心のこもった医療を行うよう、スタッフ共々全員で努力致しております。これからもよろしくお願い致します。

専門医

日本眼科学会専門医

所属学会

日本眼科学会

日本緑内障学会

日本眼科手術学会

日本角膜学会

Association for Research in Vision and Ophthalmology会員

American Academy of Ophthalmology会員

 

れいこ眼科クリニック 杉本麗子 院長

れいこ眼科クリニック

杉本麗子 院長

インタビュー

ご専門科目、診療内容について

専門科目は、眼科疾患一般です。

麦粒腫や結膜炎、眼鏡が合わないなどの日常的な眼科疾患から、糖尿病・高血圧などの内科疾患に伴う眼底出血や加齢黄斑変性などの眼底疾患までさまざまな目の病気について、幅広く診療しています。とくに白内障・緑内障治療については、日帰り手術も行っています。

目の病気も早期発見・治療が大切です。目の健康診断にも対応していますので、ふとした心配事でも、お気軽にご相談ください。

最近、視界に黒い点のようなものがチラチラ見えて外出が億劫です。何が原因なのか、どう対処したらよいかわかりません。ずっと消えなくなるのではと思うと、不安で仕方ありません。原因とメカニズム、対処法について教えてください。

モノを見ているときに黒い虫のようなものが動いて見える状態のことを飛蚊症といいます。形状は糸状だったり、小さな粒や丸い輪、半透明の場合もあります。邪魔だなと思って視線を変えても、視線と一緒に移動し、また目をこすっても変化がなく、消えてくれません。とくに明るい場所ではっきり見えて、気になります。症状が出る年齢もさまざまで、20代から症状を自覚する人もいますが、多くは40歳以降でみられます。

原因について:眼球の大部分は“硝子体”というゼリー状の物質で満たされています。硝子体は99%が水分で、わずかに線維を含んでいます。若いときには透明ですが、年齢に伴い線維が固まり、濁りがでます。その濁りは、ものをみている本人には影として認識されますが、これが飛蚊症の本態です。線維の固まりがゼリーの中を漂うので、影がゆらゆらと揺れるので、あたかも蚊が目の前を飛んでいるようにみえます。飛蚊症自体は完全に消えることはありませんが、慣れてくると、普段はその存在に気付かなくなります。

ほとんどの場合は、加齢などの生理的変化によるもので(生理的飛蚊症)、心配な病気ではありません。なかには、網膜剥離などの重篤な疾患の前触れであることがありますので、飛蚊症を自覚したら、一度は眼科で眼底検査を受けてください。

次に、視力についておたずねします。

近視は治らないのでしょうか。メガネやコンタクトレンズで矯正するしかないのでしょうか。コンタクトレンズだと、何歳から何歳ぐらいまでが使用対象でしょうか。

また、最近、「レーシック手術」での視力回復をTVやメディアで殆ど見かけなくなりましたが、何故でしょうか?

近視とは、屈折異常の一種で、近くのものが見えて遠くが見えにくい状態です。物がはっきりと写る眼の内面(網膜)で焦点が合わず、その手前で焦点が合っています。近視には遺伝的な要因と環境が関連すると考えられていますが、まだ原因ははっきり分かっていません。強い近視は遺伝的要因が多く、軽度の近視では近業作業が多いなどの環境要因が多いと考えられています。成長過程で近視になることが多いですが、成長に伴い眼軸の長さが伸び、角膜と水晶体の屈折力とのバランスが崩れて、起こります。近視を予防するには、姿勢を正す、1時間机に向かうと5〜10分休憩するなど、目に負担のかからない生活を送ることが大切です。

治療は、眼鏡やコンタクトなどの凹レンズで矯正することにより網膜に焦点が合うような環境をつくることです。近視になりかけの仮性近視の時期に点眼薬を使用する治療法がありますが、視力の戻る例はそれほど多くありません。あるいは手術治療として、角膜周辺部分を放射状に切開する「放射状角膜切開術」やエキシマレーザーを用いて角膜の中心部分を削る「レーザー屈折矯正角膜切除術(PRK)」、「レーザー角膜内切削形成術(LASIK)」などがありますが、まだ歴史の浅い手術ですので、感染症などの手術のリスクや手術後の視力不良、手術後の近視の戻りなど、多くの問題もあって、現時点では安全かつ確実な治療法とはいえません。ですので、眼鏡やコンタクトを使わずに近視を治すことは難しいといえます。

白内障や緑内障は中高年に多い目の病気と聞いていますが、原因や症状はどう違うのでしょうか。薬では治らず、手術するしか方法はないのでしょうか。

また、手術の費用は概算でそれぞれどの位かかりますか?

白内障も、緑内障も40歳頃から徐々に増えてくる病気です。

白内障は年齢とともに水晶体のタンパク質が変性し、濁る病気です。老視と同様に年齢を重ねるとほぼ確実に誰にでも起こる加齢変化で、白髪と同じく、多少の個人差はありますが、避けることはできません。50歳を越えると少しずつ濁りが見られ、70歳以後になるとほとんどの方がなんらかの症状を感じます。視力低下、眼鏡が合わない、眩しい、かすむなどが典型的な症状です。治療は手術治療しかありませんが、白内障手術も進歩し、比較的安全に手術をすることが可能となっています。以前は、かなり視力が低下しないと手術が行なわれませんでしたが、最近では、場合によっては視力低下がなくても、まぶしさなどの訴えが強い場合には、早い段階で手術をすることもあります。手術は、濁った水晶体を摘出し、眼内レンズに入れ替えるという方法です。日本では年間140万件くらい行なわれているポピュラーな手術です。レンズの種類にもよりますが、多くは健康保険の適応があり、ご自身の負担額は、3割負担の方で5〜6万円程度となります。

 

緑内障は、加齢による目の老化を背景にした、視神経に障害がおこるために視野が狭くなる病気です。じわじわと見えない部分が広がっていく病気で、片方の目に見えない部分があっても、両目で見ているともう片方の目でカバーしてしまうため、自覚症状がないまま進行していきます。緑内障のタイプによっては、頭痛や吐き気が現れることもありますが、多くの場合は見えない部分がかなり広がるまで気づかないことが多い、こわい病気なのです。緑内障の治療は、眼圧を低下させ視神経の障害を防ぐことです。まず点眼薬を中心とする薬物治療を行ない、それでも十分に眼圧が低下しない場合や視野障害が進行する場合にはレーザーや手術治療を追加します。

緑内障は日本人における視覚障害の原因の第1位で、40歳以上の日本人の20人に1人が緑内障と推定されますが、約9割の方がまだ自分が緑内障であると気付いていないと考えられています。緑内障を確実に予防できるような効果的な方法はありません。しかし、緑内障を早期に発見し、きっちり治療を継続すれば、多くの場合、失明に至ることはありません。40歳を過ぎたら定期的に眼科の検診を受け、早期に発見することが最も大切です。

先生のクリニックを受診する時に、注意すべき点があれば教えてください。

(例えば、服用中の薬や使用中のメガネ・コンタクトレンズを持っていくなど)

予約の患者様が優先となっていますので、できるだけ事前にお電話でご予約をお願いいたします(予約番号:06-6655-0154)。なお、眼鏡やコンタクトレンズのトラブルで受診される方は、普段お使いの眼鏡やコンタクトレンズをお持ちください。セカンドオピニオンを希望される患者様は、かかりつけ医での治療経過がわかるよう紹介状や、ご自身でわかる範囲での治療経過をメモに書いてお持ちください。

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